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最近の異世界ものは中世ファンタジーが多いが [アニメ]

ラノベとかマンガで異世界ものとか異世界転生ものが食傷気味に消費されているが、その中身は中世ヨーロッパ的なファンタジーが大きく占めている。幼女戦記みたいな大戦頃の状況を魔法を交えてやっているみたいなのはごく少数派だと思う。

そもそものファンタジーの一つの源流として指輪物語(ロードオブザリング)やゲド戦記などがあると思うが、やはり観念的にヨーロッパのファンタジーが元なのだ。ドラクエⅢが流行った頃には、元ネタ指輪物語だよねというのが観念としてあって、深めのオタクは映画でロードオブザリングをやるかなり前から読んでいた。

ドラクエの大ヒットから中世風ファンタジーがゲームなどで量産されたが、それと同時に日本的な解釈がなされることが多かった。ビキニアーマーまで行くと違う気がするが、ドラクエ3でも露出度の高い女子防具はあった。まぁとりやまあきらもそこいら辺は時流を汲んでいたのだろう。

そういう基礎知識としての日本のヨーロッパ中世ファンタジーがあったのだろうが、やはり日本なりの独自解釈が入っていることが多い。魔法陣にしてもヨーロッパで元は他の呪術から逃れるための結界として使われていたようなのだが、日本では魔法陣から何かを呼び出したり魔法を出したりしている。多分そういうのは本来的ではない。本来的ではないがそうなってしまっている。初めとしては水木しげるの悪魔くんあたりが元なのではないかと思う。しらんけど。

ゲームとかの刷り込みから、転生モノの転生先が見た目ヨーロッパ的なのは分かるんだけど、中身が大体ステレオタイプなヨーロッパ中世か非常に現代に近いものなんだよね。やはり日本人の現代作者の発想が貧困なのか、調べ物をせずに書いているか、意図して無視しているのかはわからないのだけれど、使い捨ての設定にそこまで時間を割いていられるかというのはあると思う。

そもそも自分でカスタマイズした世界に物語的に意味を持たせたり影響してくるかというと、そこまで気にしたところで活かせないというのが本当のところなのだろう。なのでフィクションというものは設定を借りてくるしかないし、独自に作ったところで読者が付いて来れないので徒労に終わるのがオチなんだろう。

にしても、最近の異世界ものはゲームを元にしたようなものがほとんどで、それだと見る方も作る方も通底感があるのでわかりやすいのだろう。でも、そういうイージーなものばかり作っていて楽しいのだろうかと思ってしまう。世界観だけでなく、異世界転生モノではチート能力が付き物となっているし、現代知識で無双するみたいな俺つえええものが多すぎてゲンナリする。

同じにすることで、一つの消費集団を作ることはできるだろうけど、表現としては面白くないなと思う。作る方も見る方も迷いが少ないかもしれないけど、やっぱりそこまでのものしかないのだ。創作とはいえども誰かの模倣でないものは一つとしてないし、マイナージャンルは売れないとされている。だけど、大正時代のマイナー文化でやった鬼滅の刃はウケたではないか。元々売れないと言われていたことを悉くやっていて売れたのは、やはり物語ること自体の面白さは設定だけじゃないんだということなのだろう。


ファッションにしても、音楽にしても、文化は何巡もして回ってくる。だから、異世界転生モノもあと数年すると見向きもされなくなるかもしれない。プラットフォームとして飽きられるのはあっという間なので、内容的に面白いものを書かなければ廃れるのは間違いないところだろう。掘り尽くされる前に同じところの掘り返しが始まり設定厨が増えてエンドだ。

消費する立場から言えば、同じようなものを見せられても飽きるだけだ。編集者は流行りとしてもてはやすけれども、実際のところ何もやっていないのと変わらない。そんなのただの保身でしかないし、実際は保身にすらなっていない。

思うのは面白いことないかなということだけである。SAOが流行ったからゲーム内でデスゲームをするのはもういいし、デスゲーム自体が楽しいわけでもなんでもない。そういう特徴的なシステムの中でいかにして物語を構築することにあるのではなかろうか。面白い物語は、江戸時代でやったって宇宙でやったって面白いものは面白いのだ。


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