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『小さな会社は「決算だけ」税理士に頼みなさい!』を読んだ。 [起業]

実は個人事業主から始めようと思うので、法人成りは遥か先になりそうなのですが、一人でも会社を起てた場合はどうなるかなぁと思い、一応読んでみました。実際に喫緊に必要な情報はあまりなかったけど、節税するには結構大変なんだなと感じました。


小さな会社は「決算だけ」税理士に頼みなさい!

小さな会社は「決算だけ」税理士に頼みなさい!

  • 作者: 土屋 裕昭
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/09/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



内容的には、普通は会計士に会社の決算をしたりする他に、決算期以外の時期に顧問料を払って、安くても年間60万円くらいかかるらしい。そこを決算時だけにして、顧問料をケチるという方法がありますよって話。結局、大規模にならなきゃ企業なんて顧問料付けたところで、あんまりメリットがないんじゃないの?って会計士本人が言ってるわけです。

ぶっちゃけ、小腹を満たしたい時に、全部入りなフルコースをガッツリ食べたい人なんていないでしょう、って事らしい。価格破壊も会計業にも来たかって感じですが、この本の会計士は中小企業側の逼迫度合いも分かっているけど、ただ単に安けりゃ良いって訳ではないということも書いてあったと思います。


 
コストカットという意味で、ほぼ固定費だと思われていた顧問料を削れるのは画期的で、中小企業が10年で1/3しか生き残れない現状を考えると、当たり前のように飛びつく他ないかもしれません。10年間生き残るために、四、五百万円のお金が自由になるのは、かなり不況の世の中では特にメリットになるのは間違いありません。

ただ、「決算だけ」にしてしまうとデメリットもたくさんあって、中小企業経営に関する常識を交えながら、実際に「決算だけ」を実行するには大変なことも多い、という事です。具体的にデメリットをザックリ言うと、融資を受ける時期が決算時から離れていると書類を用意するのが大変だとか、元々会計士の手間を減らしてコストカットする手法なので、仕事を丸投げしにくいという性質だとか、頼む仕事の幅があってやってくれたりやってくれない事項が発生してしまう、などです。

でも、結局のところ、個人事業主から法人成りして大してやる事が違ってない、という人にとっては、自分でやれるから顧問料なんてそもそもいらねーというのも珍しくないわけで、この本に書いてある事はわりと福音になるかもしれません。実際に調べたわけじゃないけど、決算だけを頼める会計士も増えてきているらしくて、相当田舎じゃない限りはググれば見つけられて頼めるんじゃないかと思われます。

どこかのレビューでこの本を、知ってる事ばっか載ってて読むのやめたよ、と書いてありましたが、確かに他の本にも書いてある事は多いです。ただ、「決算だけ」の絡みが当然あって、どうしても自分の知識だけでは危ういなという人には、通読してデメリットと危険性は把握しておいた方がいいと思います。玄人向けでは決してないと思います。でも、基本的な仕訳の仕方を網羅しているわけでは全く無くて、節税と決算だけにまつわるところだけをピックアップして述べています。そういう意味ではビギナーの本でもない気がします。玄人さんには、デメリットを予想できる範囲の事が書かれているっぽいです。そこいらは、個人的にどこまで知ってるかにはよるでしょうが。


対話形式で書いてあるので、何となく読みやすい感じはしますが、ボケとツッコミがあんまり面白くないと言うか…。いや、そういう本じゃないけど、まぁ経営側の考え方はある程度、あるあるネタっぽくて、それ言っちゃダメでしょ、というのもあったりなかったり。


本を読む前に概略を知りたい方はこっち。

 http://diamond.jp/category/s-kessan

個人事業主としても、そんなにこなれてなくて、勘定科目なんて会計ソフトにまかせて何も分からないに近いぜ(自分)、って人は買っても損はしないと思います。分かりにくい概念とか専門用語とかは、大抵説明を入れているので、ほとんどないです。というか、知らんで経営なんて危ないので、他にも本など読まなきゃダメでしょうね。税理士はスペシャリスト的に優秀でしょうが、税理士がいう節税の提案の根拠が分かるくらいになっておかないと、本業の事業者としては優秀であっても、経営者としては中級以下なんだろうなと感じます。

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