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会社作らなくても、青色申告でいいじゃないか [起業]

ちょっと起業する事を考えてまして、お金の元となる技術はそれなりにやってきたけど、経営ノウハウがない、ということに気付き、他に運営を手助けしてくれる人もいないので、一人で会社を立ち上げようとした。

政権が自民党の時、合同会社というのを作ってくれて、大幅に起業のハードルを下げてくれました。それと株式会社を1円で起てる事が出来るとうれしい事もありました。そんなわけで、一人でも会社作った方がいいんじゃね?とひとりごちていた。でも、それは少し間違いであった。個人事業の本を読んでいてやっと分かった。

 
そもそも、何で合同会社を起てた方がいいと思ったのは、まず第一に「有限責任」である事でした。でも、それはあんまり個人営業では意味がない。個人事業主は「無限責任」とされているが、会社を建てたとしても、本人が会社運営の連帯保証人にならざるを得ず、金銭的にはほぼ「無限責任」であることは知らなかった。その点に於いては、恐らく合同会社にしてもほぼ意味がない。

確かに株式会社にすれば、株券を買った人に株価の額面までを投資してもらい、事業に失敗したら株券がパーという状態で、資金集めとしては有限責任が上手く機能する部分になるだろう。でも、個人事業主は会社をたてても、それほどメリットがないんじゃないかと。色々特典はあるけど、そのために非常に面倒くさい定型処理を自分で行なわないとならない、というのはかなり負担になってくるはずだ。事務作業をする人が他にいる場合は、少し話は変わってくるかもしれないが、それでも本業以外の仕事が多くなるのは、会社化した時にはやらざるを得なくなる事が増える。

以前、主治医に会社を立てる事を話したら、青色申告会の話と会社を立てるには相当な面倒が伴う事を話していた。その時は正直、会社起てた方がいいに決まってるじゃん、と思って気にあまりとめてなかったが、本業を大事にするのなら、まず青色申告から始めた方がいい事が分かった。会社運営できても、その元となる仕事が上手くいかないと、全く意味をなさず本末転倒になる。そもそも、会社は節税の意味が大きくあるのと、将来の展開が楽になったりするということがあるのだろうが、事業が軌道に乗ってきてから法人成りしても全然遅くない。



デメリットとしては、他に起業する時点で少なからずやお金がかかることだ。合同会社では電子申請を含めて、かなりお得な値段で法人を立ち上げる事ができるのだが、それでも数十万円の単位でお金がかかる。一人で事業を始めるだけなら、数枚の申告書を出して宣言するだけで、基本的にはお金がかからない。

そして会社になると、税理士に仕事を頼まないといけない。年間60万円くらいは最低かかるらしい。頼まなくても、税務署からツッコミが来なければいいって話もあるのだが、それはそれで問題がある。自分には複式簿記の知識はあまりない。だから、青色申告で複式簿記を上手くやれる準備をした方が、軽く傷を作りながら学べるのもいいし、比較的厳しい目で見られる法人のハードルよりも低い状態であるというのは、初心者にとってはいい状況だ。多くの個人事業主はひとりで経理をやって、税理士の大して必要がない相談や、チェックなどをスキップしているのが普通だろう、と。今では安価なPCソフトもあるし、SaaSのアプリだってある時代だから、複式簿記の細かい知識がなくたって全然構わない状況なのでしょう。

話はちょっと個人事業主からはそれるけど、年間60万円かかる税理士への代金ですが、決算だけ頼む事も出来るみたいで、そういう本を読んでいるんだけど(会社起てないので関係ないですが手にしてしまったので…)、探せばそういうことをやっている税理士もいるらしい。この不況の中、コストダウンとかデフレとかあるけど、ここまで低価格化されるのかとちょっと驚き。こういうのってほぼ固定費として毎年大きくのしかかってくるから、安いのに越した事はない。

小さな会社は「決算だけ」税理士に頼みなさい!

小さな会社は「決算だけ」税理士に頼みなさい!

  • 作者: 土屋 裕昭
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/09/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


小さな会社は「決算だけ」税理士に頼みなさい!って本は、著者がそういう風に仕事をしているから出版できたのであって、別に税法上の裏技的な抜け道があるだとかいう情報が載っているわけじゃありません。大部分の人が決算だけでいいんじゃないの?だから俺の所に来てよ、って話。

どこかの簡単なレビューで、既に知っていた事を書いてあるので途中で読むのをやめた、ってのを見ました。確かに、節税についても書かれていて、わりと他の書籍でも書かれている事の焼き直しが多い感じなので、もう事業が軌道に乗ったプチ玄人さんには必要のない本かも知れません。でもビギナーな私はそれなりに事項を確認できたので悪い本じゃなかったです。ただ小規模経営の定石は、それほどバリエーションがないって事ですね。考え方も、実際する方法も、数冊の書籍でそれほど変わりませんでした。結局、本業でどう儲けるか考える方が大事で、経営というのはあくまでそれをサポートする定型処理と考えましょうか。方法が目的になるのだけは避けたい所です。


あと人を使う場合も意味合いがあまりないです。しばらくは一人で仕事をしていく事になると思うのだが、会社をたてなくても従業員などの給与は勿論、外注した部分の源泉徴収もこっち側でやらなきゃいけない。会社にすれば、それが簡単になるわけでもないと思うし、個人事業主でも結局のところ同じ事をやらないといけないみたいだから、会社にするメリットは感じられない。付随する作業が増えるだけ、手間の分ではうれしくないのです。


メリットと言えば、色々な事をしなくちゃいけないので、その分信用が増してお金を借りやすくなるって事でしょうか。でも、都市銀行からは借りにくくても、信用金庫とか、信用組合とか、日本政策金融公庫とか、個人事業主でも借りやすい所は探せばないわけではない。もっとも、自分はそれまでの蓄えでやっていきたいと思っているし、多くの場合はそれほどお金をかけないで、自分が以前に買ったもので済ます事は出来るだろうと思う。使うとしたら、レンタルサーバー代ぐらいのもので、仮想サーバを使ったりする事を考えれば、それだってそんなにお金がかかるわけじゃない。そもそも、そんな大きな仕事をしようとするならば、個人で始めようなんて思わないわけで。


事業の金稼ぎも大事だけど、鬼門は税の支払いというか、青色申告にあると思われます。何にしても、サラリーマンをしてきただけの人にとっては面倒ごとが多すぎる。しかし、個人で青色申告出来ないくらいでは、そもそも会社なんてまともに運営できないよ、ってのが経営の入口に立ってみての感想。まずは試運転的に個人運営してみて、年末に複式簿記で決算してみて、晴れて上手く動き出したら本腰を入れてみる、のがいいかと思う。

法人成りは今の所全然気にしなくていい話とわかり、自分の主治医の意見も病状の事以外も言う事をしっかり聞いてみるものでした。そういえば、先生も会社起てずに青色申告でやっているみたいだから、その点で先輩な訳です。法人成りは面倒だからやってない模様。だから、実際にやった人の意見はきちんと聞いておくべきですね。まぁネットバンキングとかは振込などに明らかに便利そうだから、パスワード発行のRSAのワンタイムパスワード生成機を申し込んで手に入れてあったけど。事業のノウハウを集めるってのは、本とWebぐらいしかないわけですから、実際に営業している人の言葉には重みがあるわけですよね。


結論。節税などで法人化をいきなり考えるよりも、本業でお金を儲ける事をしっかり考えた方がいい。

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