SSブログ

量子コンピュータざっくり現状理解。 [自然科学]

理解できるかよく分からないけど、量子コンピュータがまた気になった。日経サイエンスという科学雑誌に出てたからで、研究している人も比較的若いので、おいらと同じくらいのロスジェネなんだろうなと思ったり。

日経 サイエンス 2014年 04月号 [雑誌]

日経 サイエンス 2014年 04月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2014/02/25
  • メディア: 雑誌


量子論自体は、湯川秀樹氏の頃からあるけど、実際の利用という点ではやっとこさ各現象が確認されるようになった感じなのかな。まぁ理論物理学というのは、提唱されてからかなりの後に粒子加速器とかで確認されてたりするので、思ったよりも進みが遅い気はする。

 
なんて思っていたけど、量子コンピュータは金になるかもしれないという事で、その実現には結構金がかけられていて、色々な知見がガンガン出てきている分野であるらしい。数年前にも生き馬の目を抜くような、現象の発見合戦が起きていたと言っていたが、そういう状態ってのはメジャーな技術になる前にはすごく金が流入して学術的に盛り上がるという事はよくある事だと思う。私の若い時には、それが半導体やそれにまつわるソフトの技術であったし、その他にもバイオテクノロジーの色々な事が知られるようになった。結局、そういうブームが起こらないと、周りの人も本気になって投資してくれないからなのだろう。

物理学関係は数学が出来ないと話にならないので、僕の理解度も話にならない程度なのだが、外側からどんな感じなのかぐらいは分かる。一線の科学者の対談を読んでいるのだが、それだけでもかなりの情報量がある気がする。知らない人そっちのけですが、まぁある程度ライトだけど科学雑誌だしね。




2010年にFIRST量子情報処理プロジェクトってのが出来たらしい。4年くらい経ってる。カテゴリとしては量子情報学ってことらしいが、結局量子コンピュータの周り全部ってことだよね。サイトはこちら。

 http://first-quantum.net/

このサイトは後でゆっくり見るとして、日経コンピュータの記事。


量子コンピュータが考えられてそれなりの時間が経っているわけだけど、僕としてはRSAの計算が非常に早くできるという印象が一番である。っていうのも、よく量子コンピュータの演算の例として出てくるし、アルゴリズムも上手くいきそうな方法が提示されているからだ。Shorのアルゴリズムってのがそれなんだけど、見に行ってもそれが量子コンピュータにどうつながるかが分かりにくい。それはひとえに数式だから似過ぎない事なんだろうけど、一般人がわからないのと同様、私は分からないです。

 http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/10371508.html

こっちの方が結果が分かりやすいので、とりあえず量子コンピュータを使うと指数関数的に増える計算量も、量子の重ね合わせの利用で早く計算できるのが分かる。

 http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/10710546.html

まぁ結局、現在のコンピュータセキュリティはRSAなどの暗号化によって支えられているわけだけど、それを現実的な時間で解く方法が、量子コンピュータを使うアルゴリズムな訳だ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8F%E5%AD%90%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF#.E3.82.B7.E3.83.A7.E3.82.A2.E3.81.AE.E3.82.A2.E3.83.AB.E3.82.B4.E3.83.AA.E3.82.BA.E3.83.A0

こっちの方が文字ばっかりで文系の人にも分かりやすいと思うのだが、RSAの暗号の強度の元になっている、素因数分解の難しさだけではなく、その後に有望視されている(鍵の長さが短くて済むって話)離散対数問題を使った楕円曲線暗号も、応用して解けてしまうようである。なかなかに由々しき問題ではある。

とはいえ、
2001年12月にIBMアルマデン研究所にて7qubitの量子計算機で15 (=3×5) の素因数分解に成功

以来から、計算の規模はそれほど増えていないんだろう。それというのも、量子コンピュータの動作で量子もつれが関係する、というか使わざるを得ない所に問題があるみたいだ。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8F%E5%AD%90%E3%82%82%E3%81%A4%E3%82%8C

結局、色々なQuantum bitがあるけど、沢山の量子もつれなどを計算に利用できるほど、制御できてないって事なんでしょうね。
数学的に等価な量子ゲートが物理的には核磁気共鳴、量子光学、量子ドット、超伝導素子、レーザー冷却などによって構成出来るため、様々な実験的ハードウェアの実現法が研究されている。2011年現在、ハードウェアは実用化レベルに至っていない。





ん〜ググったら、結構新しめの情報が引っかかってきたな。

 http://ascii.jp/elem/000/000/875/875949/
 http://www.ntt.co.jp/news2014/1403/140317a.html

光格子ってのが分からないけど、何か線引きをしているような形なのかな。とにかく多くの量子ビットを作って、エラーも前提にハードを作り込んでいくみたい。まぁエラー対策ってのはコンピュータには大事だよね。ノイマン式の今の普通のコンピュータにもECCメモリとかパリティーとかあるし、不確実性を排除するのはコンピュータの常だしね。方向性としてはとてもいいと思う。
今後5年以内に1万ビット程度の測定型量子コンピュータを開発、3次元格子100万ビットの量子計算実現を目指す

しかし100万ビットもないとまともな計算ができないってことだよね。結局、どういう前提のqubitの換算なのかな? そこの所はこのエントリーを書こうと思った元の座談会でも書いてあった。

今の方向で作るとしたら、10の6乗qubitが必要で、制御部分の開発で2000人の共同プロジェクトを組まないといけないらしい。今それをやるべき事なのかは微妙な線だ、とくすぶっている感じ。対費用効果と言うか、思ったほどの成果が上がるかどうか疑問ってところ?

先のアスキーのリンク先のNTTはやると言っているが、そこまでの人的リソースがあるのか、人をそれほど使わなくても大丈夫な仕組みにしたかは分からない。NTTは金があるから人海戦術的にやれる能力はあるだろうけど、結局、今のスパコン競争みたいに何に使うために作るとかいう前提じゃない気がして、アメリカのアポロ計画に近いプライドの問題な気がして、ちょっといい気持ちではない。


宇都宮さんっていう人が量子コンピュータの場で、コヒーレントコンピュータなんて事を提案している。別に量子コンピュータじゃなくてもいいじゃん、ってことなんだけど、量子コンピュータの席でなかなかそういう事は言えないよな。

コヒーレントコンピュータってのは聞いた事なかったな。量子コンピュータとは作動原理は違うので、細かくは調べたくない。ってググってもデコヒーレンスで引っかかってしまい、量子コンピュータの話題になってしまっていた。コヒーレント光なんてのは、レーザーとかで聞いた事はあるけど、最適化問題を解くためのマシンみたい。まぁ汎用性のないスパコンなんて昔はたくさんあっただろうから、それと同じような状況なのだろうか。動作原理は全然違うみたいだけどね。




そもそも量子と古典の境界が分かっていないってのも事を難しくしている気はする。最前線を走る彼らでさえ量子と古典の境界を知りたいみたいな事を言っている。実際はない(混在している)のだろうけど、デコヒーレンスが線引きとするのが一般的らしい。

1mm角ぐらいの大きな膜でも隔離して量子的な状態を作り出す事ができるみたい。先のNTTのヤツもそれに似たものなのかな。光格子時計ってのも、雑誌にもアスキーのにも載ってたな。案外そういう派生的な技術の方が有り難がられたりするのが技術の世界だったりする。にしても18桁の精度で動作する時計ってのは、原子時計以上なのだろうか。18桁ってのも算出した結果なのだろうけど、コンマ18桁ってことだよね。

https://www.aist.go.jp/aist_j/science_town/standard/standard_04/standard_04_02.html
これらの原子時計、すなわち「原子周波数標準器」は、12桁から13桁の高精度を実現しています。

って現行の原子時計以上の精度じゃん。やっぱり存在の意味はあるわけだよね。

またコヒーレントコンピュータについて言ってるよ。連想記憶とか学習とかの話だけど、そもそもの原理が分からないので、どういう話なんだか分からない。彼女にはもう少し方法論を説明してもらいたい気はする。人間が大人になるのになぜ20年かかるのか分かるかも、って全然計算云々って話じゃなくなってた。というか、人間の思考回路実現のために、量子コンピュータがどれだけ使えるか、ぐらいにしか考えてない節がある。

もっと視野を広げて、生物学や脳科学と連携していけたら面白い、ってのは賛成。でも、それは量子コンピュータが実現した後の余白部分ではある。でも、宇都宮さんは国立情報学研究所に属していて、そこの宣伝でもあったんだよね、その量子コンピュータの話のページは。

http://www.nii.ac.jp/

NIIってのは知らんかったけど、acっていうドメインだから大学かな。大学共同利用機関法人、とある。もはや、大学の枠を越えてるね。私の知識や考えが及ぶような場所じゃないね。でも、好きな事だったら少し背伸びすれば分かる分野もあるし、ちょっと量子情報処理プロジェクトと一緒にチェックしておきましょう。とりあえずはここで量子コンピュータの話はおしまい。今度する時には、NTTとかで現実的な計算ができるものが出来上がってるかもしれないね〜。RSAが崩されるのは恐いけど、もうアメリカが通り越してきた道だったりして…。


そういや前に量子コンピュータの話をした時に、家族中で狂ったようにブログをプチ炎上させに来たアホがいたな。超キモい。今はいろいろ手を施しているし、ちょっかい出されないように他の所に見に行ってないけど、そこまでする暇がないと言うか、他にする事があるんだけどできてないと言うか。自分達がまともだと思っているまともじゃない人を見ると、ついツッコミを入れてしまうんだよね。まぁ自分がまともじゃないのが分かっている方が少しマシだという事なんだけど。

コメント(1) 
共通テーマ:学問

コメント 1

miff

宇都宮さんに怒られちゃった(てへ)。これでもダメなら書き直しますので、ソネットブログのサポートか、Tweetにてどうぞ。
by miff (2014-10-06 19:26)