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今時のミュージックシーンはよくわからない。 [音楽]

小室つんくが大手を振って日本のミュージックシーンを占拠していた頃、日本の音楽が許せず洋楽を主に聴いていた。90年代に日本にまともな音楽がなかった訳じゃないが、どうにも馬が合わなかったというか、特に聴こうと思わなくても耳に入ってきたというのもあるかも知れない。

洋楽も2000年代はそこそこ聞いていたんだけど、10年代になったらぱったりと聞かなくなってしまった。ぶっちゃけて言えば面白くなくなったからである。まず耳に残るキャッチーな楽曲がなくなってしまった。いわゆるヤンコビックがカヴァーするようなわかりやすくそれである曲が無くなったということである。まぁ歳からいうとヤンコビックが活躍する年齢ではないのかも知れないが、彼のポルカとかも90年代のオルタナティブのものを最後に聞いた覚えがない。

彼のパクリ元は、多少アレンジしてもすぐわかるものじゃないといけない。最近の曲ではそれが何の曲かわかるものが少ない。正直、イージーリスニングの曲しかないと言ってよく、鼻歌で歌えるものがほとんどない。歌えても誰かがそれを何の曲か曲名まで言えるケースは少ないだろう。90年代でもそういう曲がなかった訳じゃない。というか、わりとそういう曲も多かった。だけど、アイドルグループですら聞いたら何となく聞いたことがあることがあるという印象を残すものが少なくなかった。

10年代はEDMとかが流行ったんだと思うんだけど、昔はやったユーロビートなどのコンピューターミュージックの焼き直しである上に、劣化したものであった。正直、メインストリームで主だったムーブメントとしてはそれくらいしかなかったし、それも一般的に流行ったレベルではなかったと思う。

EDMが好きな坊やはそんなことない、盛り上がっていたよと言うかも知れないけど、過去にはもう少しマシな音楽が一般的な人にも広く浸透していた。それは映画でタイアップの音楽が使われたとか、CMで使われていたというレベルの一般性である。正直、今の音楽が映画やCMで使われる例は少なくなってきていると思う。そもそもEDMに合う映画ってのは何だろう。まだCMとかは使えるかも知れないけど、21世紀に入っていてから使われているCM曲はわりと20世紀で実績がある曲が多かったりする。


BillBoardも90年代はTVKでかかさず見ていたけれど、仕事も忙しくなって見られなくなり、最終的には年末のTop100も録るだけできちんと見なくなった。見ても聞いたことのある曲が少なくなったし、食指が伸びる曲があまりにも少なくなったからだ。最近、Top40を見たけれど、一人のアルバムの曲がチャートにドドッと出て、サーっと引いてしまうような状態になっていた。昔は一曲がある程度チャートをニジニジ上がっていって、人気が無くなったらいつの間にかチャートからいなくなっている感じであった。シングルリリースという仕組みがあったからかもしれないが、一気にチャートに上がってしまう現象はあんまりおもしろくない。

そうなったのも今のデジタルセールスを元にしたチャートだからなんだろうけど、iTunesが一般的になったあたりでちょっと挙動がおかしくはなっていた。正直、チャートを見ていて楽しいことがなくなってしまっている。流行りは流行りなんだろうけど、あまりに極端すぎて参考にならない。ミュージックシーン自体が機能不全に陥っている感じがする。

昔を回顧する老害としか思われないかも知れないが、ラジオで聞いていた時はある程度作る方もベテランがいたのだろうし、選曲する方もある程度、レパートリーの広さを与えるのとダメな曲のふるいになっていた。供給する側がある程度の取捨選択をしてくれていて、それにはそこそこお金がかかっていた。今は一人で作ってYoutubeとかに上げたのがバズったりしているんでしょ? そりゃクオリティに差は出るよな。そういう人ばかりではないのだろうけど、お金をかけなくなったのは間違いないだろう。


最近はアニソンの影響で少しは日本の曲を聴くようになった。売れているのしか聞いてみようとは思わないが、90年代よりかはマシなのかも知れない。米津玄師はそれなりにいいとは思うし、あいみょんはちょっと昔のフォークっぽいところがあるなと思ったりする。あいみょんは音楽はそれほど好きじゃないけど、タモリ倶楽部で官能小説とか春画が好きなのを見て好感を得た。変な人は嫌いじゃないw。

YOASOBIの夜に駆けるは、小説とのメディアミックスみたいだけど、曲自体はそれほど面白いものではない。耳心地の良いイージーリスニングの域を出ない。何のチャートか知らんけど数週間一位の理由がいまいちわからない。でも、音楽で一位をとるのって、音楽以外の何かがないとなかなかないのは昔からおんなじだけどね。

昔のように興味深く聴く曲は今の若い人は供給してくれない。過去に売れた人も面白い曲を書かない。なので昔の曲を反芻するように聴くだけかも知れないなぁ。ただ単に歳をとって興味がなくなっただけならいいのだが、明らかに供給側の力不足が否めない。たぶん、インターネットで音楽のビジネスモデルがぶっ壊れたからかも知れない。特に最近のストリーミングは実入りを著しく減らしたのもあるだろう。その前にデジタル配信で好きな曲だけ買うというスタイルが流行ってしまったので、アルバムを買うという行為があまりなくなったのも影響しているだろう。

音楽が手に入りやすくなった反面、オンタイムに面白い曲が出てくることが減ったのは、今の子はかわいそうだなぁと思ってしまう。90年代に70年代の曲もよく聞いていた自分のような面倒なことをしなくてはならないのもどうかと思うしね。

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