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Alternative Rockの定義が難しい。 [音楽]

当方、青春時代真っ只中に90年代の洋楽にどっぷりだったのですが、そこで避けては通れないAlternative Rockですが、オルタナティブという定義の甘さがすごく気になってしまう。

カテゴリとしてPunkやIndiesと同じにされるのだが、必ずしも同じというわけではないのです。というか、ほぼ別カテゴリー。それをいうならR&BとEDMを始めとするDanceミュージックとヒップホップが重なるところが多かったりするのですが、カテゴリ分けというのは往々にして難しいものですよね。Jazzとかボサノバとかなら分かりやすい区切りがあるけれども、そうじゃない例の方が多かったりする音楽事情。

数人のバンドを組んでいる場合はロックグループとして見られやすい。というか、実際そういうことも多いのだろうけど、バンドというとギターにベースにドラムにヴォーカルという編成が多いので、何となくロックくくりをされてしまうのは仕方のないことだろう。

さてオルタナティブ・ロックですが、基本的に言うと始祖的にNirvanaやPearl Jamなどが中心としてあると思う。元々メインストリームではないロックとして、オルタナティブと言われていたのだろうけど、そもそもの英語の意味からすると、「別の, それに代わる」とか「(伝統的基準・方法と対比して)普通とは違った, 新しい, 型にはまらない」という意味そのものであると思う。


同じ様にMacの国語辞典を見ると

オルタナティブ alternative
〔オルターナティブとも〕
① 二者択一。
② 既存のものに取ってかわる新しいもの。
③ 1990年代のカウンター-カルチャー,音楽スタイルのこと。オルト-カルチャーとも。

とありオルタナティブ自体が、90年代の文化の名称とされていることがわかる。Alternative Rockが大きな影響を与えているのは間違い無いと思うし、言葉の出所は音楽のカテゴリとしてのオルタナであるだろう。というか、その他にカウンターカルチャー的な文化の勃興というのはあまりなかったと思う。というか80年代の恥ずかしい文化を捨てるという意味合いが大きかったので、新しいものというよりも飾り気を外したものということだったのだろうと思う。

実際、オルタナティブ・ロックはグランジとも言われていて、グランジはファッションとかにも影響を与えていた。というか、今までの革ジャン長髪みたいな決め事自体がどうかしていると気づいたところなんだろう。でも、文化的に影響を与えたという意味では、ファッション的にも特徴があるというわけでは無いので決め手に欠いていた様な気もする。だからオルタナティブというと音楽に限定して考えた方がその時代の一般的な文化のあり様だと思う。

あとBlurやOasisなどのブリットポップもオルタナティブの範疇に入れられる時もある。それは同時代的に型にとらわれないロックということなんだろうけど、アメリカ本土ではない分毛色が違う。明らかにアメリカで流行っていたちょっと鬱気味の音楽とは違って、どちらかというと王道ロックなのかなと思ったりする。そもそもBlurはアイドル方面から入ったようなものだし、OasisもBeatlesの再来とあまりにも高評価されていたりで、ちょっと一般的なロックからは離れた側面もある。

それとオルタナはカウンターカルチャーというだけでなく、通底する音楽の傾向があったように思う。まぁカテゴリとしてある限り、似たようなくくりの音楽であることは間違いないのだが、その意味合いからメインカルチャーに対するカウンターカルチャーの意味が強いので、実際にカテゴリ外のロック寄りの音楽をオルタナティブと呼ぶことも少なくない。

さらに90年代以前のカテゴリに当てはまらないような音楽をオルタナティブと分類することもあるみたいだ。まぁそれはiTunesだけかも知れないけど、いわゆる90年代のメインストリームになったオルタナティブと、あまり売れてないだけのインディーズレーベルを一緒くたにしてしまう傾向もある(Spotifyとか)のを考えると、オルタナティブというのが拡大解釈されているのは間違いない。

純粋に90年代周辺のオルタナティヴ・ロックを聴きたい自分としては、そういう雑多なものが入ってくるのが許せないというか、それはオルタナティブじゃねーだろというツッコミをしたくなるんですよね。Indiesのクソみたいな音楽とかちょくちょく入ってくるとムカつくんですよ。

それとミュージシャン自身がオルタナティブを自称する場合もあった。まぁ音楽を志す者にとって、既存のものと同じであるということは言いたくはないし、自分をカテゴリ外であることを主張するにはいいポジションであるのは確かなんだよね。ただあなた方はオルタナティブとは呼ばないよと言ってあげたい人が割と自称していたりしていた。そうしてオルタナティブ・ロックは誤解されていったような気がする。


ここでオルタナティブ・ロックバンドを10くらい挙げておきますかね。一番有名かと思われる曲で。
まぁいろんなサービスでプレイリストになっているかとは思うけど一応。それと思入れがあっても一発屋っぽい人は避けてます。


Nirvana。こればかりは外せない。この曲によってAlternativeがAlternativeではなくなった、メインストリームへの道を切り開いたと言っていいと思う。FooFightersはNirvanaつながりで割愛。




Pearl Jam。元々ショッキングな事件を曲にした。良くも悪くも出世作。Nirvana(というかカート?)とは仲が悪かったようだ。偽善臭さやコックロック出身であることが鼻についたようだ。




Sound Garden。Black Hole SunはBillboardでもそこそこ上の方に行っていたと思う。




Beck。BillboardのMV番組で初めて見たときぶっ飛んだ。こんなにだらしなくてかっこいい曲があるのかと。その後も定期的にいい曲は出していて、アルバムに一つはキラリと光る曲があるという稀有なミュージシャン。




Stone Temple Pilots。よく意味のわからないバンド名。アメリカらしくていい荒れ方。ドラッグからカムバックしたとかあったと思ったが、その後はそんなに売れなかった気が。彼らの曲は短めでいい。




The Smashing Pumpkins。スマパンのBullet with Butterfly Wingsは結構カッコよかった。オルタナらしい暗い感じもあったし。その後は王道ロックに行ってしまったように感じられた。todayで出てきたあたりはアートっぽくてメジャーな方向性じゃないなと思っていたが。




Green Day。これはオルタナティブかどうか迷うところ。明るすぎるんだよな。いわゆるティーンが好きそうな曲調。正直苦手。Basket Caseの後は同じような曲ばかり出てきて辟易したが、Time of your lifeあたりで見直した。




Red Hot Chili Peppers。Under The Bridgeで名を上げたわけだが、ロドニーキング事件だっけ。黒人がなんかされた話。白人が黒人を打擲する問題はいつにでもあるのでよく覚えてない。レッチリもオルタナティブ扱いするのもなぁと思わないでもない。NirvanaのSmells以前に売れていたし。




The Offspring。これで一気に火がついた感じはした。日本でもリリースからかなり経ってから売れ出したんだが、スノボーのBGMに使われていたとかで、日本人はそういう接点でしか洋楽を聞かないのかとちょっと落胆した。




Alice in chains。あんまり詳しくないのだがUnplugedのライブを見て悪くないと思った。




もっと有名な曲があるだろうと思う人もいるだろうけど、なんとなくオルタナティブ臭い感じを醸し出しているものにしたのでこうなった。ただ売れていた曲でもよかったんだけど、それが好きとは限らないわけだし。音楽の聴き方がバンド志向でなく曲志向なので、前のアルバムが良くても次が悪かったらボロクソに言う人。だって聞きたいのはそれじゃないんだもん。そんなわけで、そこそこ売れていて出世作を並べてみた。

そういえば、最近は洋楽がつまらなくて聞いていないよなぁ。まだ00年代は良かったのだけれど、10年代は正直光るものがなかった。知人は自分が歳をとったから感受性がなくなったんだと言われたけど、決してそれだけじゃないと思う。だって気合い入れて聞かなくても、そこそこ日本でも洋楽が入ってきて聞けていたんだけど、最近は聞いてもピンとくる曲がないもんなぁ。90年代までの曲はそこそこ聞いているので、知らない曲を聴けばわかるのだが、新しくてもなんども聞きたいと思うものって本当に少ない。イージーリスニングというか。

10年代に入ってからは、最低Billboardの年間TOP100とかは見ていたんだけど、あまりにピンとこなくてTVKで年末にやっていたのをついに今年見るのをやめてしまった。薬にも毒にもならないEDMとかずっと聞いているとどうにも呆けてしまう。作る方も聞く方も楽しいのだろうかと。

懐古趣味だと言うなら言うがいい。だけど、昔の良作を聞かないで、今がいいとかほらだけを吹くのはやめていただきたい。詳しく見ていないからあまり公平とは言えないけど、現状がマシだと思っている人は少ないはずだ。悪くなっているというよりも、良い作品が少なくなっているっぽい。

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