SSブログ

マンガ「初恋モンスター」を読んで。 [本]

初恋モンスターを見て、あぁ「リコーダーとランドセル」をラブコメにした感じなのかな、と思って買ってみたけど、内容はほとんど妖怪系のストーリーが無くなった「妖狐×僕SS」でしかなかった。残念ながら、帯でTwitterで4万リツイートとか書いてあるけど、そういうアオリ文が大抵は空虚でしかないということが改めて判明。

それでも買いたい人はどうぞ。

初恋モンスター(1) (KCx ARIA)

初恋モンスター(1) (KCx ARIA)

  • 作者: 日吉丸 晃
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/07/05
  • メディア: コミック


次巻も出ていた。多分買わない。いぬぼく程エロくさえもないし。

初恋モンスター(2) (KCx ARIA)

初恋モンスター(2) (KCx ARIA)

  • 作者: 日吉丸 晃
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/01/07
  • メディア: コミック


同人誌ならともかく、ここまでパクるのはマズいだろ。

 
リコーダーとランドセル、と、妖狐×僕SS、を読んだり見たりしたことがない人なら別に面白いのかもしれないけど、主人公の女の子なんてほぼ妖狐×僕SSと一緒だしな。一瞬、イヌボクの同人誌かと思ったよw。黒髪長髪の前髪パッツンで、金持ちの旧家の娘が、一人暮らしをしようと引っ越してくるとかそのまんまだし。その部分はパクリというかクローンだよ。最近、そういうのが多すぎるよな。アニメの「てさぐれ部活もの」程度の出来だ。あんなものYouTubeでやってたって見たくない。

更に、リコーダーとランドセルと同じ、小学生なのに見た目高校生ぐらいかそれ以上って設定だし。ハイブリッドにすればそれでクローンじゃなくなるってわけじゃないんですけど。それが上手いこといって、原作以上になっていればうれしい事だけれど、そんなことはないと感じた。最後まで読むのちょっときつかった。途中で面白くなるんじゃないかと思って頑張ったけど、借り物まんまの舞台設定でそれ以上のものを書けるはずがない。妖狐×僕SS以下であることは断言できる。

絵柄にしてもエロゲーかエロ漫画で見たようなものだし、ARIAって雑誌は女性向けマンガ雑誌みたいだが、その層はリコランもいぬぼくも見ていないと思って、編集者もゴーサインを出してしまったんだろう。漫画編集者でアニメ化されたふたつのマンガすらも見ていなかったら、それは両者をまんま使ったよりも問題である。俺が編集長だったら、その編集者をすぐ切るね。

面白い面白くないの前に、物をそのまま持ってきちゃいけないだろう。語順を変えてオリジナルの歌詞としてしまった槇原敬之並にマズい。仮に偶然だとしても、おなじになっちゃったけどすいませんね、ぐらいの譲歩するというのが日本の慣習というものだが、槇原は麻薬の時に弁護士とつながって、松本零士を訴えようとさえしたからね。開いた口が塞がらない。見た目のキモさ以外にこれ以上社会に迷惑をかけるのかってその時思ったよ。

別に自分の作品の中で、ジャイアンとブタゴリラを別作品で出すのはいいとして、他の作者があからさまに未来から来た耳のない猫型ロボットとか描いたらアウトでしょ。それを揶揄してネタにするのなら、それができるほどの愛情がないとダメだと思う。愛情がなかったら、他の人が余りやらない形で表現するとか、同人誌でそのまま描いたほうがいい。最近は同人上がりで、まともにものを考えないゆとり世代が出てきているのだろうが、ちょっと考えれば分かるマズいラインを簡単に乗り越える傾向がある。

いろいろ作品があってパクりパクられて育つのが文化というものだが、一度儲けられたから同じようなものを出してみるってのは、製作者としては安易過ぎることなんだろうなと思う。アニメみたいに大きな金が動く割には、出資者も少なく、ほとんど原作なしではまともなものが作れていない状況だと厳しいけど、マンガなんて無理すれば一人でも書けるんだから、オリジナリティを出さずに何をするんだ、という気はする。

同人で染み込んだ、人の真似をするという行為に慣れすぎてしまって、新しく生み出すことを避けてしまっている。Webの発達の黎明期で、大学のレポートや卒論とかをコピペで済ますバカが大量発生したようだが、それと同じようなことを制作の現場でやっちゃアカンだろうと。同人は否定しないけど、商業誌で同人と同じことをまんましているんじゃダメだよね。同人はあくまで趣味の世界だし。趣味を仕事にすることに異論を唱えるわけではないが(自分職業プログラマー及び日曜プログラマだし)、それなりに守るべき所は毅然として守るのが大人の仕事というものだろう。


パクリかオマージュかというのは、単なる作者の言い分でしかないのだが、その舞台だけで物語を作った気になっている人も多いので、借りてきたものは物語を作るエッセンスでしかないんだよ、ということが伝わればいい。ドラクエやガンダムねたで自社内で自嘲気味にギャグにしたりするのは全然OKだ。

それはその文化が一巡したからできる御業だと思うし、ユニコーンガンダムなどはそういうものの塊だと言っていい。ある種のパロディーだしね、脚本を書いている人は別の一線の小説家が書いていて、もはや富野由悠季は監修的にしか関わっていないだろうしね。というか、あの偏屈じじいのいう事を聞いていたら、話が進まなくなってしまうだろうし、それだからこその行き詰まった宇宙世紀を改めて掘り返そうという試みだったと思う。

「初恋モンスター」は僕にとってはそれほど面白いものではなかった。どうしても「リコラン」と「妖狐×僕SS」の亜流マンガか、同人誌か、アンソロ本としか感じられないんだよね。絵柄がBLっぽい方向な気もするんだけど、それは雑誌の特色に引っ張られているのかな。作者がシチュエーションだけを楽しんでいる感じがして、物語の中身がまだ全然ないんだよね。この先、状況説明が終わった時に、もう終わりって事になりそう。それを避けるためにやたら登場人物が多くなるだけのってのも多くの作品で目立つ特徴ではある。だから、同じようなことをやっているようでも、少人数で物語を回している作品ってのは、実は実力がある人が多かったりする。

コメント(0) 
共通テーマ:コミック

コメント 0