若者の右傾化に思う。

投票率を見ても自民党などの右翼政党を若者が支持しているのは見てとれた。なんで若者がと思うのだが、それまでの自民党の体たらくを知らないからだと感じる。そういう意味で年齢が高い層で自民党支持が低かったのもわかる。

それまでを知らないなら何も自民党に投票しなくてもいいと思うのだが、若い割には安定志向なのだろう。まぁ自民党にしたとしても安定とは限らないのだが、少なくとも30年間ほとんど成長がない物価や経済を安定と呼ぶならその通りなのだろう。

自民党は基本的にロビー活動をしてくれて金をくれる人の味方なのだが、そのため高額所得者や大企業の税を低くしていたりして、完全に多くの人間を無視した政治になっている。30年もそういう状態なのに、若者は育った間の状況を知らない。知っていたとしてそれで自民党支持に回るとは思えない。

よく考えてみれば、自分の子供時代の政治を細かく知っているかと言えば、それは今の若者と変わらないだろう。ただ、大人が漏らしていた言葉などはなんとなく受け取っていたような気がする。今の若者の親の世代がそういう話をするかと言えば微妙な気がする。少なくとも自分の親の世代よりかは政治離れしている感じはする。

自分がバブル景気の時は社会から恩恵を受けていたとはとても思えなかったが、今の子供の貧困などを考えると恵まれていたのかもしれない。というか、社会全体が地盤沈下している。少なくとも周りの国のように成長はあまりしていない。そういう状況を若者は当たり前だと思って、それまでの政治が関係していないと思っているのだろうか。

なんとなくだが、大々的な建前となる右翼的な考えが安定していると若者にはうつっているのではないかと思う。不安定なものだから安定多数なものにすがってしまうところがあるのかな。野党は危ういから利権にまみれていようが安定的なものを好むのかも。ただ、今までの政治の失策による世の中の疲弊が若者には当たり前になっているのではないかと思う。それか、なんも分かっていないか。

自分は右翼は嫌いだが、たとえ嫌いであってもある程度きちんと政治をして、経済がうまく回るようであればなんの問題もない。でも、全体的にうまく回らなくなって全体的に壊死してきているのが日本だろうなというのは、皆が生活の余裕のなさで実感することとなっている。こんなに働いているのに、暮らしが良くならないのはおかしいぞと多くの人は感じている。だから右翼が今までの日本を食い潰していると考えるのが適当だろう。

若者が右傾化する意味がやっぱりわからない。実際を知って自民党は大企業と金持ちの御用聞きじゃねぇかと分かるまで時間がかかるのだろうか。若者が右翼めいたものから恩恵を受けているなら分かるけど、今は貧乏人には厳しい目を向けるのみである。自分も右翼や自民党から恩恵を受けられるなら支持するが、なんのメリットもないものに、放っておけば害さえ与えるものにいいようにされることなんて許さない。

今、自民党などは改憲ありきとなっているが、手段として改憲が必要なのであって、改憲が容易になれば好き勝手できるというのが目的ではないはずだ。政治家にはそういう莫大な力を持たせないために、憲法で制限しているのだが、それ自体を変えたいとか悪いことをすることしか考えられない。全く、憲法を変えるべきではないとは言わないが、今やっていることは自分たちのやりたいようにするために変えようとしているとしか思えない。

安倍は民主党政権の時代を暗黒の時代みたいに言っていたが、それを言ったらバブル景気から今までずっと暗黒時代だ。その多くが安倍ちゃんが担当していたんだぜ。よくそんなこと言えたもんだよな。少なくとも、自民党が同じ手法で同じようなことをしていたら、ずっと過去の遺産を食い潰してアジアの中で唯一経済成長がない国になってしまう。というかなっている。

政策で失敗しても反省はしないし、その失敗の責任も取らない。そういう体質が安倍政権で決定的に許されるようになってしまった。なんでか安倍は右翼に絶大な人気があったが、ヤクザにケチって火炎瓶投げられるような、反社に与するような政治家を支持するということはどういうことなのか子供でも分かるだろう。結局、何度も悪事はスルーされ、持病で二度も降板した。やりたい放題である。さらにアベノミクスはなんの結果を残さずに終わった。若い人たちよ、これが自民党のやれることだ。