SSブログ

『バースデイ・ガール』を読んだ。 [本]

村上春樹の本で2017年に出ておった。こんなの出てたの知らんかった。

バースデイ・ガール

バースデイ・ガール

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: 単行本


村上春樹の本は知らんうちに出ていることも多いので、たまに本屋さんに行かないと取りこぼす。とはいえ、大体のものは文庫になったりするので、それほど気にしなくても大丈夫ではあるのだが。そういや、最近出ていたものもあったけど、お金も時間もなかったのでスルーした。

一人称単数 (文春e-book)

一人称単数 (文春e-book)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/07/18
  • メディア: Kindle版


こっちは後で読むとして、バースデイ・ガールの方ね。

ネタバレ的なことを書きますが、その前にこの本の内容は、たぶん『バースデイ・ストーリーズ』に載っていました。なんか読んだことあるなぁと思っていたら、奥付というか最後の方に書いてあって、単行本として切り離して出したようです。

バースデイ・ストーリーズ (村上春樹翻訳ライブラリー)

バースデイ・ストーリーズ (村上春樹翻訳ライブラリー)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/01/01
  • メディア: 新書



内容的に違うのは、文章の間に挿絵が入っているところです。本の全体が赤で統一されており、気分的にちょっとくどさがあるものの好きな人は好きかもしれないという感じのものでした。絵は内容とリンクしているようでなさそうで僕はそれほど好きじゃなかった。村上春樹の肖像みたいなのも埋め込まれていたんだけど、それも長短かなと思ったり。Kat Menschikという人が描いているようです。絵は下手じゃないと思うけど、全編赤なのがやっぱりしんどい感じがしました。

村上春樹を久しぶりに読みましたが、夏休みなので他にもちょっと頑張ってみようかなと思っています。短編なので暇な時間にサクッと読むのがいいかもしれない。面白いとかそういうことじゃなくて雰囲気を楽しむという感じの本かなぁ。

コメント(0) 
共通テーマ:

知らない間にワートリ新刊出てた。 [本]

ステイホームで家から出なかったら、久しぶりに出て本屋さんでワールドトリガーが売っていました。平積みされるも端っこの方だったから、少し時間が経ってたんかな?

ワールドトリガー 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ワールドトリガー 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者: 葦原大介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/06/04
  • メディア: Kindle版


集英社のナツコミでノベルティが配られていたんだけど、時すでに遅かったらしくほとんどの絵柄はなくなっていました。
https://natsucomi.shueisha.co.jp/novelty/

もちろんワールドトリガーのクリアボードはなくなっており、とりあえず残っていた明日ちゃんのセーラー服のをもらってきました。みんな恥ずかしがってもらいたがらないんだろうなぁ。それともそういう趣味の人が少ないかw。

こういう情報はTwitterとかで流れそうなんだけど、わりと漫画の話はTLで流れないな。テック系と政治系というオヤジらしいTLなんだけど、オタクだからそういう情報も少しは欲しいんだよなぁ。

明日ちゃんのセーラー服はちょっとエロくて読みたかったんだけど読んでない。ラノベのスーパーカブの絵を描いている人だったよなぁ。スーパーカブもちょっと読みたかったんだけど、ラノベどころか本全般が読めてない。本を読むのは精神的にわりと負担が大きいから、漫画を一冊読むのにも二三日かかるのはザラで、活字となったらもっと時間がかかる。だからアニメになるって言ってるなら待つ。

親が新聞を取っているけれども、読んでみようという余裕がない。一時期余裕があって読んでいた時期があったが、そんな余裕があったら他のことしていた方がいい気はする。うちは田舎でジジババばっかりなのでわりと新聞を取っている率は多くて、きちんと今でもチリ紙交換車が来る。今は取っていない世帯も多いらしく、地域によっては取りに来る習慣もないらしい。

ドラクエウォークで近所を歩いていると、人が住んでいるのかわからんような荒れている家が散見されて、防犯上あんまりいいことはないだろうなと思ったりもする。大体は寿命で亡くなった人が多いのだろうけど、老人ホームへお引越しというのも少なくないんだろうな。

知らないうちに人生も折り返し地点を過ぎていた。そりゃ周りも変わるよね。ただ自分だけが変わっていないと思っていたら結構衰えが激しく、健康診断では健康体とは言えない結果が出ている。いろいろな紆余曲折があって、こんなところに来てしまったができれば好きなことをして過ごしたい。でも、生活の支えがなくなってしまったら、やれることもできなくなってしまうかもしれないな。

コメント(0) 
共通テーマ:コミック

図書館について [本]

しばらく図書館を使っていないなぁとちょっと思った。一時期は時間を持て余して、図書館とか地域センターの図書室に通い詰めていたこともあったけど、仕事が忙しくなってからとんと足が遠のいている。

続きを読む


コメント(0) 
共通テーマ:

鬼滅の刃のパクリ疑惑について [本]

佳境に向けて鬼滅の刃が売れているらしい。それでいろいろ俎上に乗るわけだけれども、過去の何かに似ているというような、すでに現役を退いてほしい過去の人が語るわけである。何に似ていても面白ければいいとは思うのだが、過去の作品が気になって楽しめないとでもいうのだろうか。

実際には、ジョジョ第二章とか男塾とか、よりによってテコンダー朴に似ているとか言い出す始末で、もはや言いがかりに近い。まぁ似ているところはあるんだろうけど、何かに似ていない作品はない。逆にそういうものは全く売れないだろう。

https://rocketnews24.com/2020/02/02/1326863/
https://sirabee.com/2020/01/19/20162238168/

似ているとされる三作がお互いに似ていると指摘されているのを見たことがない。というか、歳食った人間が過去の知識と照らし合わせて、それは知っているよとぶっているとしか思えないのだが。そういうのは子供のすることで、いい大人がすることではない。主に5chやTwitterなどのSNSで話が出てきているようだが、いい加減そういう大人気ないことをする大人は早くお亡くなりになってほしいw。

何かに似ているなんて当たり前のことだし、全く何とも似ていないものを探す方が難しいと思うけどね。物語を作っていく上で構造的に似てきてしまうというのはありそうな話だし。そもそもジャンルとかあるけど、それについては特に言われないのは逆におかしい。ミステリーや探偵ものがなんとかのパクリであると言われるほど少ない数が出ているとは思えないのだが。そりゃトラベルミステリーを書こうとしたら西村京太郎を意識せざるを得ないが、あえて書き尽くされているところを書かないというだけで、西村京太郎だって元となるようなミステリーの作品がないかと言われると割とある。

何々に似ているのでパクリだと声高に叫ぶ人間は創作というものが分かっていない。大体は元となる作品があるのが普通だし、どこかから部分的にアイデアをもらってくるなんて普通にあることで、一時的に本家を超えて売れたりすると昔の人が文句を言うだけなんだよね。何とかのパクリ、と言うのは自らの知識をひけらかした上での糾弾ができるという、下衆な気持ち良さがあるわけだが、正直趣味がいいとは思えない。


鬼滅の刃が続くかどうかということに話がいっているらしいが、このまま終っちゃってもいいんじゃないかと思う。無理して続けても正直いいことないし、ドラゴンボールみたいに継続して売れればいいけど、ドラゴンボールの最後の方のインフレぶりは見るに耐えなかった(鳥嶋さんも止めればよかったと言っていた)。賞賛されているうちに勇退ってのが僕としてはいいんじゃないかと思うんだが、作者が続けたいというのなら続ければいい。ただ、人気があるから続けてくれと推す担当者や編集長のゴリ押しで続くのだけはやめてほしい。ジャンプはそれが多いから嫌なんだ。

コメント(0) 
共通テーマ:コミック

ワールドトリガー21巻買いました。 [本]

わーとりネタバレはしません。ただ買って読む。今回もおもろかった。

いつ出たのか知らないけど、多分最近です。最近はAmazonでマンガを買うことも多かったりしますが、新刊が出ているのがすぐにわかるので、本屋さんは暇があったら行っていますね。それでも間違えて買った本また買っちゃうことあるけど…。

今度は三月のライオンだ。読んでるマンガが続々と出てくるなぁ。


ワールドトリガー 21 (ジャンプコミックス)

ワールドトリガー 21 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 葦原 大介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: コミック



ワールドトリガー 21 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ワールドトリガー 21 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: Kindle版



マンガにかかわらず、技術書とかも書店によっては立ち読みとかしていくので、やっぱりネットだけでいいってことにはならないですね。図書館とかでもそうですけど、いろいろな本に触れるというのは良いことだと思いますよ。というか、ネットだけだと興味のある本しか触れないんですよね。

作者の葦原大介さんはジャンプの魔の連載地獄で体調を崩したようですが、これからはジャンプスクエアになってそんなこともなくなるんでしょうね。末長く楽しませてほしいものです。

コメント(0) 
共通テーマ:コミック

「九十歳。何がめでたい」を読んだ。 [本]


九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

  • 作者: 佐藤愛子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/01
  • メディア: 単行本



九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/06
  • メディア: Kindle版



題名からして、おばあちゃんに電車で席を譲ったらキレられたみたいな感じなのだが、まぁ歳を感じるエッセイ集です。そういう人に限って、そこまで長生きしたくねーわなと言ったら、それはそれでキレられる気はするんだけれども。まぁ女の人に歳のことを言わないほうがいいってことだ。

連載されていた雑誌が女性セブンといういわゆるゴシップ女性誌なのだけれども、もう少し固い雑誌に載ったエッセイだと思っていた。というか、年寄りあるあるが通じるような人たちがああいう女性誌を読んでいるのねとちょっと驚いた。もう少し年齢層は若いんじゃないかと思っていたのだが。確かに皇室が何とかいう話題も多く載っていたりするもんね。分からなくはない。

正直、おばあちゃんの老化中心の独り言という感じなのだが、正直おばあちゃんの割に芯が強すぎて読んでいてちょっと厳しい感じではあった。想像の部分が多くてこのおばあちゃん大丈夫かなと思うこともあるのだが、それはフィクションを書いていたってことなんでしょう。

文字が大きくて全体もそんなに長くないというところで、宗教本と似たところがあるけど、内容的には雑話というか一般世間の文句であるので、まぁ一般的なエッセイ本であろうとは思う。ただ90歳にもなってよく書けるなという気持ちはある。なんて言うと怒られそうな勢いではある。

年寄りの書くことだからなぁと許せるものと、それは一般的にも違うでしょうという事が混ざっていた。正直、心が広いのか狭いのか分かりかねるところがある。とにかく文句を言いたい感じなのはわかった。本を読む対象は六十歳以上の年齢がいった人なんじゃなかろうか。少なくとも若い人が読むものでもない気がする。

こういったエッセイ集を読むと、その人のセンスが問われるのがよくわかる。まぁ小説だってそうなのだが、みんなが共感したり笑ったりする範囲をどうやって持ってくるのかという才能がかなり難しいのではないのか。そういった意味では、さくらももこのエッセイ本は優れていたんだなと非常に感じる。ちびまる子ちゃん自体がエッセイマンガっぽいのだが、やはり才能と言っていいレベルのものだったのだと感じる。みんなを捉えるレンジが広いと言うか、バカさ加減が受け入れやすいと言うか。


読んでいるうちに内容が個人的なものにシフトしてきて、それは序盤のエッセイよりも悪くなかった。たまにクスリと笑える場面も少しあった。これも直木賞を取れるくらいの実力があるからなんだろうなと納得はした。本を読んでいたら、親に「なんだ、佐藤愛子の本なんて読んでいるんだ」と言われ、そこそこ有名な人だとそこで発覚した。もともと気が強い人なのは知られているみたいで、それがそのまま本に出ているのだなと思った。

まぁそもそもこの本を手に取ろうと思ったのは、TVCMでやっていたからなのだけれども、それも親は知っていた。新聞で見たこともあると言っていた気がするので、結構大々的にCMを打っていたようである。最終的に面白い本かどうかという話になると、90代の人が書いた割には芯が通っているし、90代という年にに対する人生の教訓めいたものはあまりない。軽くサクッと読むには悪くない分量で、何か片手間にやっていても影響が出ないレベルである。

ただ批評の精神としては、ネット民と同様ものもがあるなと感じる。もちろん年齢による偏りはあって本質的に違う気はするんだけれども、ああだこうだいう魂は若い人よりかあるようだ。すぐに読めてしまったので年老いた母に渡した。母なら同調するところもたくさんあることでしょう。

コメント(0) 
共通テーマ:

伊坂幸太郎の「チルドレン」を読む。 [本]

伊坂幸太郎は読みたいと思っていたのだけれど、今まで読まずにいた。オーデュボンの祈りを買って、半分ぐらい読んでどこかにやってしまった気がするが、案山子が話すという突拍子のなさでも飽きてしまったのかもしれない。

さて、「チルドレン」の話だが、いわゆる子供は出てこない。これからはネタバレというか内容を出してしまうので、これから読む人には向かないのでそのつもりで。新しい本ではないけど、年代を気にしないものになっているのでいつ読んでもいい感じ。軽快に推理小説を読んでいる感じがしてオススメです。

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/05/15
  • メディア: 文庫



チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/05/15
  • メディア: Kindle版



五つの短編をまとめた本で、雑誌に出た時はあまり繋がっていなかったみたいだけど、単行本化のために加筆というか変更したらしい。そのために続きの話としてスムーズに読める。大体、短編集というものは細切れが多いのだが、これは一つの長編小説としても読める。

ガンダムがシャアを軸にした話であるように、チルドレンは陣内クロニクルみたいな感じになっている。それぞれの話では主役じゃないのだが、話のスジ的にいなくてはならない人物というか、サブ主人公というか、そういう役割になっていた。陣内という人はめちゃくちゃな人で、話を引っ張っていく原動力いなっていた。


・バンク

銀行強盗の話。盲目の青年が問題を読み解く。おぉこれは推理小説みたいではないか、と思ったが、それは後の「レトリーバー」にも通づるところがある。よくできた話であるが、このくらいのレベルのカラクリで長編小説をダラダラと続ける輩がいることに愕然とする。このくらいの短さならもったいぶる感じがなくてすごくいいと思う。推理小説で散々引っ張っておいて、それがタネかよというものが多いんだよなぁ。

・チルドレン

本の題名である、本命であろう話。法律上の大人でないという意味でのチルドレンということなんだろう。バンクで出てきた陣内さんが年を食って出てくる。一般的に誤解されて使われている言葉であるいわゆる「破天荒」キャラなのだが、今回もめちゃくちゃである。まぁ解決法として真似するにも真似できないところはあるよな。

家裁の調査員という非常にニッチな職業の話なのだが、参考文献がきっちり書かれていて想像だけの話ではないのがわかる。どこかの日本の歴史を書いているハゲが参考文献表示せずにパクリを繰り返していたのを考えると、これが普通の文章を書く人の行動だよなぁと無駄に感心してしまう。

家裁に来た親子の挙動がおかしいのが種明かしされるわけだが、家裁に来る親子なんてこんなもんかと思ってしまえたところが非常にうまい。推理小説的な部分として考えるなら、全部詳細を晒した上で納得できる意外な事実というのはとても納得がいって気持ちがいい。ほぼ隠して最後にネタばらしとかされても、それって推理小説って言えるの?ってのがあるから、こういうのはやっぱりすごく潔い。


・レトリーバー

今回も陣内がめちゃくちゃである。自分が告るところを見に来てくれと盲目の永瀬に来させる時点でおかしいのだが、カポーティの言葉を借りて、自分が振られたから世界が止まっているとさらにめちゃくちゃな主張をする。今回も永瀬の推理が冴えたわけだが、盲目だからといってそこまでクレバーな人がいるとは思えないんだよなぁ。ともあれ、陣内と永瀬の世界の異常さを嗅ぎ取る能力は素晴らしいものがある。そしてネタあかしは今回も面白かった。この短さでネタを捨てるように使うのは豪華と言えるべきなのかもしれない。


・チルドレンⅡ

チルドレンの人事異動したちょっと後の話。陣内さんが珍しくまともだった。今までがまともじゃないから、今度は何をするのかと期待したがまともすぎて拍子抜け。そういう緩急も伊坂幸太郎のうまさが光る。今までの話に比べて、パッとするところが特になかったけど、離婚調停と少年の非行を絡めて順当にうまい話になっていた。


・イン

インって何かと思ったら、着ぐるみの中にインだったわけですね。他にインしていたところはなかったと思うけど。永瀬目線で語られていたので、推理部分が目新しい気はした。目が見えないんだから、陣内が頭をとって外で休憩しているなんて思いもつかないよなw。子供に犬と言われている陣内がすごく笑えた。着ぐるみにビビっていた犬にも笑った。最後にふさわしい楽しい話で締めくくっていた。読後感がいいね。最後に親父を殴りにいくところも素晴らしいw。


そんなこんなで、サクッと読めた。他にも伊坂幸太郎の本を読もうかなと思わせた本でした。

コメント(0) 
共通テーマ:

本が速く読めない。 [本]

よく速読術とかまことしやかに宣伝が載っている時期があったけれども、あれは一般的ではなかったのか最近目にすることがあまりなくなった気がする。そこまで速読術を身に付けたいわけじゃないんだけど、もう少し速く読みたいという希望はあって、それが今まで果たせずにいる。

まず集中力が続かないのが一番にあり、さらにそれが災いして量もこなせない。そんなわけで借りてきた本も返却期日ギリギリになって返すことが多い。

まず読むのにノイズがあると非常に気になってしまう。そのノイズは音にしろ周りの景色にしろ、イレギュラーなものであったりすると余計気になってしまう。逆に言うと、それらがないところであればわりとスムーズに読み進められる。静かで単純な風景があるといいということだ。

でも、家にいると大体乱雑でうるさい場所であることが多く、正直あまり読書に向いている場所ではない。子供にリビングみたいに多少生活音のする場所で勉強させたほうがいいということがあるらしいが、それは発達障害ではない健康優良児に当てはまることであって、発達障害グレーゾーンの私どもにとってはあまりいい場所ではない。

同じく、音楽を聴きながら勉強するというのもあまり得意でない。好きな音楽であればそっちの方に気を取られてしまい、やっぱり集中できないことも多かったりする。どうでもいいBGMとかならいいのだろうが、音楽を聴くということに真剣な人間だったりするので、中途半端なことをしたくない気もする。

ちょっとした雑音があったほうがいいとはいうけれど、それも程度問題ということだと思う。それと静かなのもあまりに静かだと定常運転ではなくなるということなのだろう。まぁ図書館が静かなのは当然のことなのかもしれない。

読む速度を変えることは難しいので、いかに静かで変化の少ない場所で時間を拘束できるかということに尽きると思う。

コメント(0) 
共通テーマ:

異世界ものが多いのは現実世界に愛想を尽かしたからなのか。 [本]

ラノベやそれを元にしたアニメでは異世界ものが花盛りである。まぁ異世界ものは昔からあるのだが、現実の世界から転生なり転送なりされて、というパターンが多く、初めからファンタジーの世界にいるという設定よりか多い気がする。

ファンタジーではその世界の説明が面倒くさいのもあるのだが、現実目線で差異を見ていくのは最初から説明されるかったるさが少ないのかもしれない。

問題なのは、案外現実世界で死んじゃって異世界で転生して現実世界の知識が案外役に立ったという話が多いところ。最初から死ぬという話はそもそも病んでいるとしか思えないし、それが支持されるラノベなどの読む年齢層などが心配になってしまう。現実の知識が役に立つというところも、現実には役に立っていないということの裏返しなのかもしれない。

その話が現実問題として、早く死んでしまいたいと死んでしまうことは少なくても、こんな現実やめてしまいたいという願望があるのではないかと思うのも間違いじゃないだろう。じゃなければ、こんなに判を押したようなジャンルとして確立するとも思えないのだ。

転生で死んじゃった後の話じゃなくても、異世界に転送されたとしても元の世界に戻るんだ、という話は少なく、そのままそこで生きていたいというものが多い気がする。結局、どちらも現実世界を捨てたいという願望のようだ。

今も昔も若者が死に直面することはあるのだろうけれど、娯楽作品にそういう傾向があるのは健康的と言えないんじゃないかと思う。なんでも真剣に思えってことじゃないけど、楽しむ時にはそれなりのやり方があるでしょうよと。夢見てばかりではいられないのは、ニートの高年齢化なども関係しているのだろうが、こういう作品ばかり出てきてしまうのは社会構造が病んでいるとしか思えないのだ。

コメント(0) 
共通テーマ:アニメ

「横浜駅SF」を読んだ。 [本]

ちょっと前に話題になっていた「横浜駅SF」を読んだ。最初はとんでもSFかなと思っていたが、サクッと読めて論理的な辻褄が合っていて読みやすかった。ともあれ最初に感じていたトンデモ感はずっと続いていたわけだが、読者を飽きさせないという点においてはなかなか悪いものではなかった。

いつまで経っても改築工事が終わらない横浜駅を揶揄して本作品は誕生したのもあるのだろうけど、横浜駅が自律的に日本全土(一部除く)を覆うというちょっと荒唐無稽な話ではあった。

確かに横浜駅の改築の継続はずっと続いていた。ここ20年の変化は、みなとみらい線への対応と南口、北口の増設なんだろうなと思う。個人的には南口と西側の一度上がらないといけなかった部分のショートカットがありがたかった。

横浜駅は最寄りの大きなハブステーションであったが、横浜駅周辺自体あまり用がなかったので、予備校に通ったぐらいがよく関わったことであった。正直コンパクトな街ではなかったし、その割には店が特に充実したわけではなかった。服とか食べ物を買いに行くには悪くないのかもしれないけど、自分の興味としてはあまり当てはまらない感じであった。本屋は微妙に小さめだし、パソコンのパーツショップはドスパラしかないし、パソコンの自作がわりと流行った時も量販店が追随したが微妙な品揃えだった。

そんなわけで横浜駅にはあまり思い入れはない。やたら人がいて人が減らないかなと思っていたぐらいで、通常の通路と乗り換えの道が重なっていたりして非常に不快であった。何にしても人が多いと疲れるのだ。

ともあれ、そういう増築というか改築が永遠に続いている感じが本作品の通底した前提となっている。構造遺伝界というのがこの冒険物語のキモとなっていて、それを利用したり壊したりして話は進む。自律的に増殖する上に破壊するのが困難というところが話に面白みを出している。まぁよく考えればコンクリート様の構造物が生えてくるということ自体ありえないわけだが、まぁそこはSFとして受け入れるしかない。

ただ全体の話がよく練られていて、JR北日本とJR福岡の兼ね合いがなかなか面白い。それらと主人公の関わり合いがあまりにも偶然すぎて、そこはもう少し必然性が欲しかったのだが、この短い話の中で円滑に話を進めるには仕方なかったのかもしれない。実質的には5日間の話なのだが、それだけで基本的に終わってしまうので、コンパクトに収めるためには偶然に頼るか、もう少し必然性を加える必要があったかもしれない。

実質的に読むのに一週間ぐらいかかったが、読むのが速くない人でも2、3日でいけそうなライト感はあった。その割には設定が細かかったりするので満足感は十分にあるだろう。現状のテクノロジーの延長がかなり効いてきたりはしていたが、そういう前提知識はSFには当然のことなんだろう。というか、今の常識からあまり離れすぎていると想像しにくいのはあるだろうから、逆にあまりに突飛にはしないのがSFの現状なのかも知れない。


SFとかは感想文が書きにくい。そこそこ時間は経っているのでネタバレしてもいいかとは思うのだが、ネタバレ部分が根幹部分でもあるので、推理小説とかと同じ様にやっぱり書きにくいところがある。なので、詳しいことは書けないのだけれど、わりあいよく考えられて書かれているので、トンデモ感は思ったよりも薄くなっている。それとあえて題名に「SF」と入れているところで先入観があって、イロモノ感もすんなり受け入れられるところはあった。

ネタバレ的なことを書くと、あとがきに「横浜駅は永遠に完成しない日本のサグラダ・ファミリアだ」と揶揄されるが、「常に工事が行われている状態」頃が完成形とあり、妙に納得した。生物の挙動と同じで完成に向けているための途中過程ではなく、流動している状態自体が完成した状態なのだと。


横浜駅SF (カドカワBOOKS)

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

  • 作者: 柞刈湯葉
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/12/24
  • メディア: 単行本



横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS)

横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
  • 発売日: 2016/12/24
  • メディア: Kindle版



マンガもあるらしい。映像化は難しいとは思うんだけど、すでに挿絵等で基本はできているので何とかなったのだろう。

横浜駅SF コミック 全3巻セット

横浜駅SF コミック 全3巻セット

  • 作者: 新川権兵衛
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2018/11/01
  • メディア: コミック



横浜駅SF全国版というのもあったので、機会があったら読んでみようと思う。

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

  • 作者: 柞刈湯葉
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/08/10
  • メディア: 単行本



横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
  • 発売日: 2017/08/10
  • メディア: Kindle版



コメント(0) 
共通テーマ: