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「九十歳。何がめでたい」を読んだ。 [本]


九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

  • 作者: 佐藤愛子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/01
  • メディア: 単行本



九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/06
  • メディア: Kindle版



題名からして、おばあちゃんに電車で席を譲ったらキレられたみたいな感じなのだが、まぁ歳を感じるエッセイ集です。そういう人に限って、そこまで長生きしたくねーわなと言ったら、それはそれでキレられる気はするんだけれども。まぁ女の人に歳のことを言わないほうがいいってことだ。

連載されていた雑誌が女性セブンといういわゆるゴシップ女性誌なのだけれども、もう少し固い雑誌に載ったエッセイだと思っていた。というか、年寄りあるあるが通じるような人たちがああいう女性誌を読んでいるのねとちょっと驚いた。もう少し年齢層は若いんじゃないかと思っていたのだが。確かに皇室が何とかいう話題も多く載っていたりするもんね。分からなくはない。

正直、おばあちゃんの老化中心の独り言という感じなのだが、正直おばあちゃんの割に芯が強すぎて読んでいてちょっと厳しい感じではあった。想像の部分が多くてこのおばあちゃん大丈夫かなと思うこともあるのだが、それはフィクションを書いていたってことなんでしょう。

文字が大きくて全体もそんなに長くないというところで、宗教本と似たところがあるけど、内容的には雑話というか一般世間の文句であるので、まぁ一般的なエッセイ本であろうとは思う。ただ90歳にもなってよく書けるなという気持ちはある。なんて言うと怒られそうな勢いではある。

年寄りの書くことだからなぁと許せるものと、それは一般的にも違うでしょうという事が混ざっていた。正直、心が広いのか狭いのか分かりかねるところがある。とにかく文句を言いたい感じなのはわかった。本を読む対象は六十歳以上の年齢がいった人なんじゃなかろうか。少なくとも若い人が読むものでもない気がする。

こういったエッセイ集を読むと、その人のセンスが問われるのがよくわかる。まぁ小説だってそうなのだが、みんなが共感したり笑ったりする範囲をどうやって持ってくるのかという才能がかなり難しいのではないのか。そういった意味では、さくらももこのエッセイ本は優れていたんだなと非常に感じる。ちびまる子ちゃん自体がエッセイマンガっぽいのだが、やはり才能と言っていいレベルのものだったのだと感じる。みんなを捉えるレンジが広いと言うか、バカさ加減が受け入れやすいと言うか。


読んでいるうちに内容が個人的なものにシフトしてきて、それは序盤のエッセイよりも悪くなかった。たまにクスリと笑える場面も少しあった。これも直木賞を取れるくらいの実力があるからなんだろうなと納得はした。本を読んでいたら、親に「なんだ、佐藤愛子の本なんて読んでいるんだ」と言われ、そこそこ有名な人だとそこで発覚した。もともと気が強い人なのは知られているみたいで、それがそのまま本に出ているのだなと思った。

まぁそもそもこの本を手に取ろうと思ったのは、TVCMでやっていたからなのだけれども、それも親は知っていた。新聞で見たこともあると言っていた気がするので、結構大々的にCMを打っていたようである。最終的に面白い本かどうかという話になると、90代の人が書いた割には芯が通っているし、90代という年にに対する人生の教訓めいたものはあまりない。軽くサクッと読むには悪くない分量で、何か片手間にやっていても影響が出ないレベルである。

ただ批評の精神としては、ネット民と同様ものもがあるなと感じる。もちろん年齢による偏りはあって本質的に違う気はするんだけれども、ああだこうだいう魂は若い人よりかあるようだ。すぐに読めてしまったので年老いた母に渡した。母なら同調するところもたくさんあることでしょう。

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Twitterまとめ投稿 2019/08/18 [Twitter]


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